お役立ち情報

カーポートの種類と選び方

雨や雪、黄砂に紫外線 ⸺ 季節ごとに変わる過酷な環境から愛車を守るのがカーポートです。「洗車しても翌日には鳥のフンで汚れてしまう」そんな経験から設置を考える方もいます。

でも、いざ調べてみると「アール型?フラット型?」「素材はどれがいい?」と情報の多さに戸惑う方が少なくありません。デザインだけで決めてしまうと「下が暗い」「風に弱い」などの後悔も。

本稿では、カーポート屋根の形状・素材・構造の違いを分かりやすく整理し、選び方を3ステップで解説します。カーポート選びで失敗しないためのヒントが満載です。

カーポート屋根の主な種類

カーポートとは、屋根と、それを支える柱で構成されたシンプルな車庫のことです。車を雨や紫外線から守るだけでなく、住宅の印象を大きく左右します。

ここでは、屋根の「形状・素材・支持方法」という3つの観点から主な種類をご紹介します。

屋根の主な形状

カーポートの屋根は、主に「アール型 (R型)」と「フラット型 (F型)」の2種類に大別できます。見た目だけでなく、強度や設置場所の自由度にも違いがあります。

コストと安定性を重視するならアール型、外観デザインや加工性の高さを優先するならフラット型がぴったりです。

▼アール型/R型

緩やかなカーブが特徴のアール型は、カーポートの定番形状です。風や雪の垂直方向の力を分散させやすく、同素材ならフラット型よりもたわみにくい傾向があります。

量産されているため価格も比較的リーズナブルで、コストを抑えたい方におすすめです。汎用性はんようせいの高いデザインですので、和風・洋風どちらの住宅にも合わせやすい万能タイプです。

▼フラット型/F型

フラット型は水平で直線的な屋根が特徴で、シャープでモダンな印象を与えます。シンプルモダン住宅との相性がよく、敷地形状に合わせたカット加工にも対応しやすい点が魅力です。

価格はやや高めですが、デザイン性を重視したい方におすすめです。加工性の高さから、コンパクトな敷地(狭小地)や四角形ではない敷地(不整形地)にも合わせやすいでしょう。

屋根の主な素材

屋根材は、明るさ・耐久性・遮熱性に関わる重要なポイントです。主な素材の特徴を確認していきましょう。

▼塩化ビニール

塩化ビニール(塩ビ)は、かつては一般的でしたが、現在ではほとんど採用されない旧来の素材です。安価で入手しやすい一方、紫外線に弱く劣化が早いため、長期使用には不向きです。

短期間だけ屋根を設けたい場合や、塩ビの波板を貼り替えたい場合を除き、より耐久性に優れたポリカーボネートの利用がおすすめです。

▼ポリカーボネート

ポリカーボネートは軽くて強く、ガラスの約200倍の耐衝撃性(※製品による)を持つ「カーポートの定番素材」です。

紫外線カット性能(UVカット)の高い製品が多く、明るさを保ちながら車を守れます。熱線吸収タイプなど高性能モデルもあり、コスパのよさが魅力です。

▼スチール(ガルバリウム鋼板)

ガルバリウム鋼板はアルミと亜鉛の合金をメッキした頑丈な鋼板で、耐風・耐雪性能に優れています。光を通さないため屋根下は暗くなりますが、紫外線や熱を遮断できます。

強度が高いので、雪や台風の多い地域におすすめです。愛車を徹底的に守りたい方にもぴったりの素材と言えます。

▼アルミ

アルミは高級感があるだけでなく、遮熱性とデザイン性を兼ね備えています。とくにシャープでフラットなデザインと相性がよく、スタイリッシュな外観がモダン住宅と調和します。

サビにくく、汚れが目立ちにくいため、メンテナンスがほぼ要らないところも魅力です。価格は高めですが、見た目と品質の両立を求める方に適しています。

屋根の主な支持方法

カーポートには「屋根を支える柱の位置」による分類方法もあります。柱の位置によって、使い勝手や安定性が変わります。

主な支持方法を3種類ご紹介しましょう。

▼片側支持

片側支持は、柱を片側にまとめた支持方法です。コストを抑えつつ、乗り降りのしやすさと開放感を確保できるため、支持方法の中ではもっとも普及しています。

ただし、両側支持タイプに比べると安定性が劣ります。強風地域や積雪地域では、オプションの「着脱式サポート柱」などによる補強が推奨されます。

▼両側支持

両側支持は、両側の柱で屋根を支えるため安定性が高く、風や積雪に強い支持方法です。2台用やワイドタイプなど、車の所有台数が多いご家庭でもよく採用されます。

柱が駐車スペースの両側に立つため、車の出し入れやドアの開閉時に注意が必要です。施工費用も片側支持より高くなる傾向があります。

▼後方支持

後方支持は、柱を後方に集めることで、前面と側面をすっきり開放的にできる支持方法です。フラット屋根と組み合わせたデザイン性の高い製品が多く、駐車やドアの開閉もラクにおこなえます。

一方、荷重が後方に集中するため、柱を支えるための基礎が大きくなる傾向があります。そのため、商品代・工事代ともに高額になりやすい点は注意が必要です。

カーポートの選び方を3ステップで解説

カーポート選びで注意したいのが、デザインで決めてしまうことです。カーポートは「サイズ ⇒ 屋根・構造 ⇒ 強度」の順に決めていくと、スムーズに進みます。

この3ステップを意識すれば、見た目と使い勝手の両立が実現します。満足度も高まるので、お試しください。

step1.駐車する車の台数に基づきサイズを決める

まず最初に確認すべきは「何台駐車するか」です。車の台数が決まれば、必要な間口 (横幅) と奥行 (縦幅)、そして支持方法が自動的に絞り込まれます。

▼駐車台数を最初に決めるべき理由

車の台数により、支持方法がおおむね決まります。敷地を有効に使うためにも、先に駐車台数とカーポートのサイズを確定しておくことが大切です。

  • 1台用 ⇒ 片側支持、両側支持、後方支持のすべてが選択肢に入る
  • 2台以上 ⇒ 屋根全体を安定して支える両側支持や後方支持が主な選択肢

また、サイズが大きくなるほど価格が上がるため、サイズが決まれば予算を立てやすくなります。予算が決まれば、製品の選択肢を絞り込みやすくなるでしょう。

▼建ぺい率にも注意が必要

カーポートは原則「建築物」とみなされ、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の上限を示す割合)の制限を受けます

そのため、住宅で建築面積を使い切っている場合は設置できないケースもあります。

なお、一定の条件を満たすカーポートは「建築面積」への算入が緩和される場合があります。ただし、自治体によって規定が異なるため、事前に確認が必要です。

必ず自治体の建築指導課や専門家(設置業者や建築士など)に相談し、敷地の建ぺい率制限とカーポートの算入規定を確認しましょう。

step2.屋根(形状・素材)と支持方法(柱の位置)を決める

サイズを決めたら、次は屋根の形状・素材・支持方法をセットで検討します。カーポートのデザイン性使い勝手、そして何よりも愛車の保護性能を決定づける重要なステップです。

支持方法車の出入りや乗り降りのしやすさを決定づける。駐車スペースが狭い場合や、切り返しが多い場合は、片側支持や後方支持が有利。安定性を重視する場合は両側支持がおすすめ。
屋根形状主にデザインの印象と加工性に影響。アール型は柔らかく標準的なデザインで、コスト効率に優れている。フラット型はスタイリッシュで、加工性に優れ変形地に合わせやすい。
屋根素材採光性、遮熱性、耐久性といった「使い勝手」と「車の保護性能」に直結。明るさを求めるならポリカーボネート、強度を求めるならガルバリウム鋼板、デザイン性を求めるならアルミ。

カーポートは一度設置すると変更が難しいため、このステップは慎重に進めましょう。

車の出し入れの頻度や運転技術も考慮して、使いやすさと外観、そして費用のバランスを意識してください。

step3.気候に合わせて強度を確認しながら商品を選ぶ

最後のステップは「強度」です。どんなに見た目がよくても、地域の気象条件に合わなければ長く使えません。

注目していただきたいのが、以下の2つの強度性能です。

▼耐風圧強度

耐風圧強度とは、風による「吹き上げ」や「ねじれ」に耐える強度のことです。耐風圧強度が不足すると、台風で屋根材が外れたり、柱ごと倒壊する恐れがあります。

カーポートの耐風性能をチェックするときは、お住まいの地域の基準風速 (V0) を確認し、その一段上の耐風圧強度を選ぶと安心です。

「地域の基準風速」は、建設省告示第1454号に記載されています。

とくに沿岸部や高台では風圧が強くなるため、ご注意ください。

▼耐積雪性能

耐積雪性能とは、屋根に積もった雪の重みに耐える性能のことです。雪は見た目以上に重く、積雪量が増えると屋根のたわみや破損につながります。

カーポートの耐積雪性能は「20cm・50cm・100cm相当」など、積雪量で示されます。地域の過去の最大積雪量を参考に、余裕を持った強度を選ぶのがポイントです。

メーカーは、同じデザインのカーポートでも、複数のグレードを用意している場合があります。地域の気候に合わせて、適切な耐積雪性能を選びましょう。

カーポートの人気メーカーと特徴

最後に、カーポートの主要メーカーをご紹介します。

カーポート選びでは、メーカーごとの強みを知っておくと比較がスムーズです。国内の主要3社は「LIXIL (リクシル)、YKK AP、三協アルミ」で、それぞれに個性があります。

LIXIL住宅設備全般を扱う国内最大手のエクステリアメーカー。汎用性が高い主力商品やシンプルモダンな商品が人気。デザインの多様性と豊富なオプションが強み。
YKK AP窓サッシなど建材に強みを持つメーカー。ベーシックで堅実な製品が主流で、強度と安定性に優れた製品が多い。基本性能の高さとコストパフォーマンスが強み。
三協アルミ幅広いエクステリア製品を手掛けるメーカー。他社にないユニークな構造やデザインを持つ商品がある。敷地条件に合わせた自由な設計に対応できるのも強み。

3社はいずれも信頼性が高く、どれを選んでも大きな失敗はありません。

まずはカタログと施工事例をチェックし、デザインや性能、そして価格のバランスがよいと感じるメーカーを選んでいただくとよいでしょう。

さらに、家の外観と調和するカーポートを選べば、トータルコーディネートの完成です。

まとめ:後悔しないカーポート選びは「種類」と「選び方」の把握から

カーポートを選ぶ際は、見た目だけでなく、サイズ・構造・強度を順に確認することが大切です。どれだけデザインがよくても、駐車しづらかったり、風雪に耐えられなければ意味がありません。

まずは車の台数を確認し、設置場所と必要なサイズを確定。そのうえで、屋根の形状や素材、支持方法を比較して、使い勝手とデザインのバランスが取れたものを探すことがポイントです。

さらに、地域の気候に応じた耐風・耐雪性能を確認すれば、長く安心して使えるカーポートを選べます。住まいやライフスタイルに合った一台を見つけ、日々の快適さと愛車の安全を両立させましょう。


記事:ダット


記事一覧へ