
庭や玄関まわりで増えていく、アウトドア用品や園芸道具。「そろそろ物置が必要かも」と思いながらも、選び方が分からなくて不安に感じていませんか?
物置は、一度設置すると簡単には動かしづらいアイテムです。価格やデザインだけで選んでしまうと、「置けなかった」「使いにくい」と後悔するケースも少なくありません。
そこで本稿では、失敗しにくい物置の選び方を4ステップで解説します。物置の種類や設置の注意点もご紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。
失敗しない物置(屋外収納)の選び方

物置選びで大切なのは、じつは「置く場所」と「入れる物」をはっきりさせることです。カタログだけ見て、デザインで選んでしまうのはおすすめできません。
では、具体的にどう進めればいいのでしょうか ⸺ 物置選びで失敗しないための「4つのステップ」をご紹介します。
- 1:設置場所を決める
- 2:設置目的とサイズを検討する
- 3:環境や目的を考慮して機能を決める
- 4:材質・デザイン・扉の開き方などの詳細を決定する
順番に、分かりやすく解説します。
1. 設置場所を決める
物置選びは、設置場所を決めることが最優先です。せっかく気に入ったデザインの物置を見つけても、設置できなければ意味がありません。
また設置場所は、物置の「大きさ・扉の開き方・基礎や土台」にも影響します。通路幅の関係で搬入できなかった ⸺ というケースもあり得るため、搬入経路の確認も大切です。
▼推奨される場所
以下のような場所が、物置の設置に向いています。
- ▸水はけのよい場所
- ▸平らで、地面がしっかりしている場所
- ▸できるだけ直射日光を避けられる場所
地面が斜めだったり柔らかすぎたりすると、物置が歪んで扉が開かなくなる恐れがあります。
一日中直射日光が当たる場所も、夏場は中が高温になるため、収納する物によっては劣化や故障の原因になります。
そのため、上述のような条件の場所がおすすめです。
▼設置できない・避けるべき場所
一方で以下のような場所は、物置の設置に向いていません。
- ▸給湯器・室外機の前(熱や排気で劣化する恐れがある)
- ▸雨水マスや点検口の上(メンテナンスを妨げる)
- ▸大雨のときに水が溜まる場所(劣化や傾きの原因になる)
- ▸家の屋根から雪がドサッと落ちてくる場所(故障の原因になる)
また、お隣の了解なしに境界線ギリギリに設置するのもおすすめできません。原則として境界線から「50cm以上」離すことで、近隣トラブルになるリスクを下げやすくなります。
これは、民法に「建築物は境界線から50cm以上の距離を保ちましょう」といった趣旨の規定があるからです (234条)。ただし、50cm以上離さないことが慣習化しているエリアは除きます (236条)。
まずは自分のお庭をぐるっと歩いて、「ここなら置けそうかな?」という候補地を2~3箇所探してみましょう。
2. 設置目的とサイズを検討する
設置場所が決まったら、次はサイズの検討です。
物置のサイズは、今入れたい物だけでなく、これから増える物も考慮して少し大きめを選ぶと安心です。
▼収納したい物をリストアップして余裕のあるサイズを選ぶ
まずは、収納したい物を紙に書き出してみましょう。
園芸用品やキャンプ道具だけでなく、冬季タイヤや除雪道具などの特定の季節だけ使う物もお忘れなく。そのうえで、2割(1.2倍)ほど余裕のある容量を目安にすると安心です。
▼物置の前後左右に点検・設置作業ができるスペースを確保する
物置のまわりには、点検や作業のために周囲に人が入れる程度のスペースが必要です。
とくに移動が困難な大型の物置は、家の外壁やフェンスなどにぴったりくっつけて設置するのはおすすめできません。スペースがないと、メンテナンスが難しくなります。
▼土台・基礎・屋根の寸法を考慮する
一般的に、物置のカタログには以下のサイズが記載されています。
- ▸土台寸法(実際に地面に接する部分)
- ▸屋根寸法(張り出し部分)
土台や屋根の寸法は物置本体より大きくなるケースが多いため、設置スペースに収まるか必ず確認することをおすすめします。
まずは、実際に設置予定の場所のサイズをメジャーで測ってみてください。どのくらいの大きさの物置が置けるか、具体的に分かります。
3. 環境や目的を考慮して機能を決める
意外に思われるかもしれませんが、物置は設置環境によって必要な機能が変わる設備です。
地域の気候や収納物の内容によって、標準仕様で問題ない場合もあれば、機能追加が必要な場合もあります。
購入前に確認したい、代表的な機能を2つご紹介します。
▼断熱
夏の高温や冬の結露が気になる場合は、断熱仕様を検討してください。
「断熱」とは、熱の伝わりやすさを表す性能のこと。断熱性が高いほど熱を伝えにくく、中の収納物を暑さや寒さ、そして結露から守ってくれます。
とくに、結露に弱い紙製品や電動工具、温度で変質しやすい塗料などを収納する場合は、断熱性能の高い物置がおすすめです。
▼積雪地型
雪が多い地域では、積雪荷重に対応した仕様が欠かせません。通常タイプを選んでしまうと、屋根の変形や破損につながることがあります。
お住まいの地域の気候や環境、そして収納したい物を考慮して、特別な機能が必要か検討してみてください。
4. 材質・デザイン・扉の開き方などの詳細を決定する
最後に、材質・デザイン・扉の開き方などの詳細を決めます。それぞれ使い勝手に大きく影響しますので、最後まで手を抜かずに選択していきましょう。
材質と扉の開き方はとても重要ですので、次の章「知っておきたい物置(屋外収納)の種類と特徴」で詳しく解説します。
ぜひ、ここでご紹介したステップで物置選びを進めてみてください。見た目も使いやすさも両立しやすくなりますよ。
知っておきたい物置(屋外収納)の種類と特徴
選び方の基本が分かったら、次は具体的にどんな種類の物置があるのかを知っておきましょう。自分にぴったりの商品を見つけるヒントになりますよ。
タイプ別の特徴
物置には、大きく分けて「コンテナ (箱形)」と「物置 (屋外収納)」の2つのタイプがあります。
▼コンテナ(箱形)タイプ

比較的小さな箱形のコンテナは、持ち運びに便利です。収納物が小さい場合や少ない場合、あるいはマンションのベランダなどで物置を設置できない場合に重宝します。
中には、折りたたみ式になっていて、使わないときはコンパクトに収納できるコンテナもあります。物置内の整理整頓にも使えるでしょう。
niwacanでも、以下のようなコンテナボックスを取り扱っています。ご興味がありましたら、ぜひご覧ください。
▼物置(屋外収納)タイプ

戸建て住宅のお庭で一般的に見かけるのが、物置タイプです。サイズ・デザイン・性能の選択肢が豊富で、庭や外構になじみやすいのがメリットです。
日常的に出し入れする物の収納や、たくさんの物の収納に向いており、家庭用として扱いやすいタイプと言えます。
どちらにしようか迷ったら、もう一度設置場所や収納する物、そして使い方を思い出してみてください。自然と、あなたにぴったりのタイプが決まりますよ。
素材別の特徴
物置の素材は、「重さ・耐久性・見た目・価格帯」に影響します。設置環境やメンテナンスのしやすさも踏まえて選びましょう。
多くの物置は鋼板製(スチール)ですが、最近は合成樹脂製(プラスチック)のものも増えています。それぞれ特徴をご紹介します。
▼鋼板(スチール)
鋼板は、多くのメーカーが採用している「物置の王道」と言える素材です。強度が高く、長く使える素材です。
鋼板製の物置は、価格と耐久性のバランスがよく、屋外設置に向いています。現在の鋼板は塗装技術が向上していて、サビの不安もある程度解消されています。
とは言え、塗装がはげるとそこからサビますので、こまめに補修することが大切です。
▼合成樹脂(プラスチック)
合成樹脂製の物置は軽く、比較的簡単に組み立てられるのが特徴です。サビの心配がなく、海に近い場所でも安心です。
見た目の印象が柔らかく、海外製のようなおしゃれなデザインが多いのも魅力のひとつです。一方で、強度や耐久性は金属製に劣るため、収納量や設置場所を選びます。
物置の材質は、収納したい物や設置環境、そしてお家の雰囲気に合わせて決めていきましょう。
扉の開き方別の特徴
扉の構造は、使い勝手を大きく左右する要素です。設置場所の前のスペースや、出し入れする物の大きさによって、向き不向きがあります。
主な扉のタイプは、以下の3つです。

それぞれの特徴をご紹介しましょう。
▼引き戸タイプ
引き戸は左右にスライドして開くため、物置の前に広いスペースが不要です。そのため、狭い場所や通路沿いの設置に向いています。
ただし、開口が扉の幅だけ狭くなるため、大きな物の出し入れはしづらい場合があります。
▼開き戸タイプ
開き戸は扉が手前にガバッと開くので、大きな物でも比較的出し入れがしやすいのが特徴です。
一方で扉を開けるためのスペースが必要になるため、物置の前にスペースがない場所には向いていません。
▼シャッタータイプ
シャッターは縦にスライドするので、狭い場所でも開閉しやすく、大きな物の出し入れも容易です。
一方、扉に比べて開閉の音がやや大きく、構造が複雑になるため価格も高くなる傾向があります。
扉のタイプで迷ったら、物置の前のスペースと収納物の大きさを思い出してみてください。この2つを基準に選ぶと、失敗しにくくなります。
メーカー別の特徴
物置の主なメーカーは「イナバ、ヨド、タクボ」などです。どれを選んでも品質に大きな違いはありませんが、それぞれに得意分野があります。
各メーカーの特徴を、簡単にご紹介しましょう。
▼イナバ物置
「100人乗っても大丈夫」のCMが有名で、耐久性の高さで知られるメーカーです。「頑丈さ」を重視する方に向いています。
▼ヨド物置
サビに強い「ガルバリウム鋼板」を使った商品があり、長くきれいに使いたい方に向いています。デザインやバリエーションの豊富さも特徴です。
▼タクボ物置
吊り戸式でスムーズに動く扉や、便利な棚の配置など、使い勝手のよさが人気のメーカーです。細かな工夫を求める方に向いています。
気になるメーカーが見つかったら、カタログを集めて見比べてみましょう。迷ったら、デザインや性能などの「希望の優先順位」を整理し直すと選びやすくなりますよ。
なお、有名なメーカーは価格が高い傾向があります。予算に合わないと感じたら、積極的に中小のメーカーの商品も見てみてください。運命的な出会いがあるかもしれません。
物置(屋外収納)を設置する際の注意点

物置は「置けば終わり」ではありません。設置方法を誤ると、劣化や転倒といったトラブルにつながることもあります。
ここでは、とくに注意してほしいポイントを4つご紹介します。
地面のじか置きを避け、底面の劣化を抑制する
物置は、地面に直接置かないのが基本です。地面に直置きすると、雨水や湿気がこもりやすくなり、底面からサビや腐食が進みやすくなります。
具体的には、メーカーが指定する設置方法を採用してください。一般的には、ブロックで浮かせたりコンクリートで基礎を打ったりするケースが多いでしょう。
地面のじか置きを避けることで、物置本体だけでなく、中に収納した物の劣化も防ぎやすくなります。
転倒・横ズレを防ぐためアンカー工事をおこなう
物置は、アンカー固定による転倒防止対策が必要です。空の状態や軽い収納物だけだと、強風や地震で物置が動いたり、倒れたりするリスクがあります。
とくに背の高い物置や、風を受けやすい場所では注意が必要です。メーカー指定のアンカー工事をおこなうことで、安全性を高めてください。
建築基準法の規定により確認申請が必要な場合がある
じつは法律上、物置も立派な「建築物」のひとつとして扱われます。
そのため、床面積が10m²(約6畳)を超える物置を設置する場合は、役所に「確認申請」という書類を提出し、事前に設置の許可を受ける必要があります。
参考:建築基準法 第6条
▼建ぺい率オーバーに注意
また、住宅の敷地には、「どれくらいまで建築物を建てていいか」というルールがあります。この割合を「建ぺい率」といい、物置もこの計算に含まれます。
物置を設置することで、「気づかないうちに建ぺい率オーバーになっていた」というケースも珍しくありません。違法建築物になってしまいますので、ご注意ください。
設置前に、家の建築面積と、お住まいの地域の建ぺい率を確認しておくことが大切です。分からない場合は、役所や家を建てた建築会社に聞いてみてください。
参考:建築基準法 第53条
▼防火地域・準防火地域では小さな物置でも申請が必要
なお、多くの地域では10m²以下の物置であれば、確認申請は不要とされています。ただし注意したいのが、お住まいの場所が「防火地域・準防火地域」に指定されている場合です。
この場合は、小さな物置であっても申請が必要になることがあります。建ぺい率と同じく、事前の確認が必要です。
「たぶん大丈夫だろう」と自己判断するのはおすすめできません。設置前に、役所や家を建てた建築会社に確認しておくと、後々のトラブルを防げて安心です。
マンションのベランダは一般的に物置を設置できない
マンションのベランダには、一般的に(管理規約上)物置を設置できません。なぜなら、マンションのベランダは共用部分にあたり、避難経路としての役割があるからです。
そのため、マンションでは管理規約で物置などの設置を禁止しているケースがほとんどです。マンションの場合は、必ず管理規約を確認し、無断設置は避けましょう。
まとめ:種類と選び方を把握して自分に合う物置を選ぼう
物置選びでは、価格やデザインだけでなく、設置場所・サイズ・使い方を整理することが大切です。順序立てて考えれば、物置選びで迷いにくくなります。
今回ご紹介したポイントをもとに、自分の暮らしに合った物置を選べば、今よりもっと快適に収納できるようになります。
とりあえずではなく、ひとつずつ納得しながら選ぶ ⸺ そんな気持ちで、ぜひ物置選びに取り組んでみてください。きっと、選んだあとに「これでよかった」と感じられるはずです。
記事:ダット

