
チューリップは花が終わると、ひとつの大きな球根が小さな球根へと分かれてしまう。そんな「分球」という性質ゆえに、翌年は花を咲かせず「葉っぱだけ」になりがちだと言われています。
そんな噂は耳にしていたものの、新しくリニューアルしたレイズドベッドで、あの鮮やかな姿をもう一度見たくて。期待と少しの不安を抱えながら見守り続けた、2年目のチューリップの結果をお届けします。
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3月前半の様子

3月、最高気温が10度を上回る日が続くと、まず2つの球根からつぼみが顔を出しました。そこからの成長は早く、2週目にはレイズドベッドの枠を埋め尽くすほど葉が大きく広がりました。
葉がしっかりとした質感に育ったことで、以前よりも力強い立体感が出てきました。

残念ながら、今年は葉だけで終わりそうな球根がひとつ。ですが、つぼみに養分を使わない分、葉の勢いはレイズドベッドから溢れ出すほど力強く、一番の成長を見せてくれました。(良いダシが出そうな昆布みたい。)
今年は球根にしっかりと栄養を蓄えてもらい、掘り上げた後に仕分けて、来年開花するかどうか確認したいと思います!
3月後半の様子

3月3週目に入り、ついにつぼみが4個に増えました。茎が勢いよく上へ伸び、約20cmほどの高さまで成長。
つぼみの先端が色づき始めたことで、花色の判別もできるようになり、開花へのカウントダウンが始まりました。

3月4週目。明日には咲きそうだねーと話していたら、私たちの会話を聞いていたかのように、本当に翌日、一輪のチューリップが花開きました!球根を掘り上げてから半年間風通しの良いところで保管し、大切にしてきた2年目の球根。今年も無事に咲いてくれてホッと一安心。
・・・余談ですが、開花したのはなんと私の誕生日!嬉しさもひとしおです。

その翌日にはさらに2輪が追いかけるように開花し、レイズドベッドが一段と華やかになりました。
同じ赤系でも、球根によって色の濃淡が異なり、それぞれが素敵な個性を発揮しています。
つぼみがうな垂れてしまっていた球根も、気温が20度を超えた週末を乗り越えた後、気づけばピシッと上を向いていました。「何もしないで見守る」という選択も、時に必要となるのが植物と付き合うということだと学びました。


開花結果
最終的な開花結果は、7個植えた球根のうち6輪!2年目の挑戦としては、まさに大健闘の結果ではないでしょうか。パッと目を引く鮮やかな赤、柔らかなピンク、そして白の縁取りが美しいものまで・・・。色とりどりのチューリップが風に揺れる姿は、見ているだけで心が弾みます。一輪ずつ、濃淡や表情が異なり、レイズドベッドの中に豊かな色彩のハーモニーが生まれました。

花が開くまでの間も、「ベージュ×ホワイト」の色合いが緑の葉っぱを引き立たせてくれた気がします。今、私たちが屋上ガーデンで使用しているレイズドベッド(900×900 2段)とプランターフェンスは、すべて「ベージュ×ホワイト」の組み合わせ。「グレージュ×ホワイト」や「ベージュ×ブラック」などで同じ植物を育てて、見え方の違いを確認するのも楽しいかもしれない・・・!と考えています。
成長の個体差が激しく、一番背の高い子は風の影響で倒れてしまいそうな不安定さも。咲き始めてから通常1~2週間で枯れてしまうので、早めに咲いた3輪を室内用に切り取ることにしました。
室内に飾るまでを楽しむ

植物を育て始めたら、早い段階で手に入れてほしいアイテム。それは「剪定ばさみ」です。
刃が薄く鋭利に作られている剪定ばさみを使うことで、植物を長持ちさせることに繋がります。ついつい普通の事務用のハサミを使ってしまいそうになりますが、普通のハサミは2枚の刃で紙などを「押し切り」ます。チューリップの茎は水分を多く含み、意外と柔らいかもの。普通のハサミで切ると、切断部がギュッと押しつぶされてしまい、水を吸い上げるための大切なストローのような導管(茎の中にある管)が塞がってしまいます。



気温が高いお昼よりも、水遣りをした涼しい朝に切り取ることも、「一番元気な状態」で花瓶に移すために大事なポイント。来年に向けて球根を太らせるため、葉は残した状態に。葉が黄色くなる5~6月頃まで、水遣りを続けます。
花瓶に生ける際に微調整で茎をカットする際は、ボウルなどに張った水の中で、斜めにカットします。切られた植物が自力で水を吸い上げる力を取り戻すには、茎の中に空気が入らないことと、水を吸う面積が広いことが大切だからです。

2年目の開花を支えてくれた、レイズドベッド
今回の2年目のチューリップ、成功を支えてくれたのは、間違いなく「レイズドベッド」という環境だと感じています。

◆安定感を生んだ「土の量」
一般的なプランターよりも圧倒的に土の容量が多いため、地熱の影響を受けにくく、根がゆったりと張ることができたのが開花の要因だったと考えられます。咲くかどうかを心配していたのですが、そもそも茎の長さや葉っぱの広がり方は、小さな鉢で育てた去年より明らかに立派でした!
◆「水はけ」と「清潔さ」の維持
今回使用したのは3段タイプ。この高さのおかげで、通気性が確保されました。寒さを経験させる必要のあるチューリップ。球根を植えた冬から開花までの半年間、土がジメジメしすぎず、清潔な環境を保てたことも要因のひとつと考えられます。
◆植物を主役にする意匠性
niwacanレイズドベッドならではの、木目柄による柔らかな表情。ビスが表面に出ない設計。視界を邪魔するノイズがないからこそ、チューリップのしなやかな茎のラインや、鮮やかな花の色に集中できます。レイズドベッドのおかげで、植物をただ育てる「観察」が、いつしか「景色」を楽しむ時間に変わった気がします。
半年前に球根を掘り上げてから、今日まで。 「2年目も咲いてくれるかな?」とドキドキしながら向き合ってきた時間は、私に「待つ楽しみ」と「今を愛でる心」をそっと届けてくれました。植物を育てることは、いつか来る終わりを知りながら、そのプロセスをまるごと楽しむということ。 限られた時間だからこそ、今この瞬間の輝きをこれほどまでに愛おしく感じられるのだと、チューリップが教えてくれた気がします。
3年目はまた難しい挑戦になるかもしれないけれど、だからこそ、お気に入りの景色の中でスッと背を伸ばして咲いてくれた今の姿を、最後の一片まで欲張りに楽しみたい。そうやって、自分の日常も少しずつ、お気に入りの道具とともに機嫌よく整えていけたらいいなと思います。
記事:walk








